「海外現地法人の経営力向上に向けた実態調査」報告書の一般公開について


弊社(KCP)が受託した、経済産業省(東北経済産業局)委託調査「海外現地法人の経営力向上に向けた実態調査」の報告書が経済産業省のウェブサイトで公開されましたことをお知らせ致します。以下、レポートの概要です。



​1. 本調査の背景と目的

2020 年初旬以降の新型コロナウィ ルスによる危機を背景に、海外現地法人は一層厳しい状況に置かれており、その影響はとりわけ経営資源に制約がある中堅・中小企業において顕著である。

こうした経営環境において、海外現地法人の経営力向上、危機に対する柔軟性・強 靭化等により競争力を高め、中長期的な視点で海外事業を拡大していくことは、日本経済にとって重要な意味を持つ。よって、これらの経営環境の変化を機会と捉え、果敢に取り組む企業の海外事業の拡大を官民で後押しする必要がある。


本調査は、当該事例を広く展開することにより今後の中堅・中小企業の経営力向上の一助とすると共に、支援ニーズの実態を明らかにし、官民で海外事業の拡大を 後押しする制度改正及び支援策拡充等につなげることを目的とするものである



2. 調査概要

本調査においては、中堅・中小企業の「海外現地法人」に着目し、我が国事業者が 比較的進出の多いアジア地域(特に東南アジア)を対象に、

① 事業再編による経営力向上に取り組む中堅・中小企業

② 危機に対する柔軟性・強靭化に取り組む中堅・中小企業

③ 中堅・中小企業を支援する民間支援機関


の支援強化の取組みについての実態を調査した。



3. 調査結果(一部抜粋)

国内事業と比べ海外事業においては、自社の経営資源は限定的である。この点、自社単独で各国市場に関する知見、人脈・地脈を蓄積し、ゼロからバリューチェーンを 構築する場合には、膨大な時間とコストを消費する事になる。つまり、中堅・中小企業の海外事業においては、自社の成長戦略に必要な全ての経営資源を単独で補うのは、極めて困難であると言える。従って、スピード感を持って海外事業を推進していく場 合、自社の目的と課題を見極めた上で持つべき機能を明確化し、足りない経営資源を どのように獲得するかという視点が重要となる。本調査における経営資源の導入手法とその活用目的は、概ね次のように整理できる。


① 事業再編による外部経営資源の導入

② 人材等の内部経営資源の育成・強化

③ 設備等の導入による事業活動の強化

④ 事業継続力強化による経営資源の維持・安定化


これらの手法の内、自社の経営資源を最大化するには事業再編が有効であり、それに 加えて内部経営資源の育成・強化を合わせて取り組むことにより更なる効果が期待される。


従って、一般的に買収後の経営統合(PMI)や経営管理が重視される通り、事業再編による組織の構造変更のみならず、海外事業の成長に向けた更なる経営資源への投資も含めた包括的な取組みを支援していく施策体系、支援体制が必要である。



4. 提言(一部抜粋)|包括的海外事業支援体系の構築の提言

今回提案したいのは、海外事業に特化した支援制度の構築である。


現行では各法制度の目的によって、それぞれ組織体制や事業活動に着目した固有の手法が設定された制度体系となっている。


加えて、支援制度については、一部法認定を要件としつつも、税制、補助金制度(サプライチェーン多元化補助金、ものづくり補助金グローバ ル展開型、IT 導入補助金等)、海外人材育成支援事業等が個別に提供されているため 中堅・中小企業にとってはアクセスしづらい現状である。 そこで本調査では、「海外事業経営力向上計画(仮)」(図表)を提案する。


中堅・中小企業が海外事業の経営力を向上するという目的に焦点をあて、経営資源導入 の手法を列挙する制度体系を構築する。中堅・中小企業の海外事業経営力向上という目的に合致する取組みに対し、これまで個別に提供されていた各種支援制度を一体的に提供するパッケージ型の支援体制を提供することで、中小企業の支援制度へのアクセスを容易にして利便性を向上するとともに、経営力向上に向けても相乗効果を見込むことができると考える




報告書全文はこちら。

海外現地法人の経営力向上に向けた実態調査
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